ネガティブリストの存在の意味、改正の目的、日系企業はどういうことに注意しなければならないのでしょうか?
特に2016年2月11日に発表されたネガティブリストの改正は、これまでのものから大幅に緩和されています。
今回は、ネガティブリスト改正(2016)による影響についてまとめました。
ネガティブリストとは
インドネシアでは国内産業を守るために、「ネガティブリスト」に載っている業種は外資が規制されています。
日本でいえば米農家などに関わる事業は外国企業が進出できないように、インドネシアでも国民の生活を守りながら、経済が発展するように業種によって様々な決まりがあります。
要は外国資本は、インドネシアにたくさんお金を落として、インドネシア人の雇用を増やして、インドネシアの経済発展に貢献してください。
ノウハウや資本が必要ない業種については、外国資本は参入する必要がないので、インドネシアではビジネスできませんよ。
というものを規制しているものが「ネガティブリスト」というものです。
インドネシアのネガティブリストの代表例
なかなかネガティブリストをすぐに理解するのは難しいかもしれませんが、日本人の出張者に「ネガティブリストの代表例」話して驚かれる話をここでしますね。
小売業は国内資本100%のみ
一番わかりやすい小売商業ですが、インドネシアでは国内資本100%のみに事業許可されています。外資による出資は認められていません。ただし例外があります。
小売業の例外
例外として売場面積400㎡以上のミニマーケット、1,200㎡以上のスーパーマーケット及び2,000㎡以上のデパート等の場合は外資100%も可能となっています。
ネガティブリストの影響
セブンイレブンは小売業ではない?
ジャカルタに行ったらセブンイレブンかファミリーマートをたくさん見るでしょう。あちらこちらに店舗展開されていて、多くの若者が利用しています。
セブインイレブンやファミリーマートがなぜネガティブリストの対象になっているにも関わらず、たくさん店舗を展開しているのでしょうか?
よく店内を見てください。テーブルをイスが必ず置かれているはずです。
つまりセブンイレブンやファミリーマートなどは日本では小売業ですが、なんとインドネシアでは「レストラン」登録されているのです。
小売業ではビジネスできないので、飲食業として事業許可を得ています。こうやって色々な手法でネガティブリストをくぐり抜けてビジネスをしています。
カルフールやロッテマートが超広い理由
ジャカルタのあちらこちらに「カルフール」や「ロッテマート」がありますし、ショッピングモールには必ずカルフールとロッテマートが大きく店舗展開しています。
この売り場面積がものすごく広いのは、「売れているから」という理由ではありません。
ネガティブリストの例外として、売り場面積が広いと事業許可がおりるからなんですね。
そういう目線でネガティブリストを見ると、やはりジャカルタでビジネスをするのは、国の規制次第で左右されることがよくわかります。
ネガティブリスト改正(2016)はどういうものなのか?
今回の発表によれば、
2014年時のネガティブリストで、外資比率99%から33%に規制を強化していた卸売・倉庫業は方針を転換し、現行の33%から67%に緩和する。
引用元: じゃかるた新聞
と、以前から日本の強い要望に対してBKPM(投資調整庁)が「卸売・倉庫業」は要望通り緩和されることになった模様です。
また今回のネガティブリストの改正で一番大きな影響があるのは、
冷蔵保管業に関しては100%の出資を認め、地方の農業や漁業の発展につなげたい意向だ。
電子商取引(EC)では、千億ルピア以上の投資に限り100%認めるほか、廃棄物処理業に関しても条件付きで100%認める方針。テニスやプールなどスポーツ施設への投資も現行の49%から100%まで出資を認める。引用元: じゃかるた新聞
と、「農業や漁業の保管関連」、「EC事業」、「廃棄物処理業」、「スポーツ施設への投資」などで大幅に緩和が認められた模様です。
特に外資100%OKというのは、この分野に関わる外資企業のインドネシア進出が積極的になるということです。
2016年のネガティブリスト改正について
経済発展が著しいジャカルタでは、このような外資規制に関わるルールは、数年に一度改正されます。
インドネシアでは政府発表でもコロコロ変わる可能性があります。
これからインドネシア進出を狙う企業においては、ネガティブリストをしっかりチェックすることをおすすめします。
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